微生物の力で地球を守る! 「バイオ・レメディエーション」とは?
- 鈴木 斎将
- 2025年7月4日
- 読了時間: 3分
「土や水が汚れてしまったら、もう元には戻らない」ーーそんなふうに思っていませんか?
実は今、自然の力を活かして、環境をきれいにする画期的な技術が注目されています。そのひとつが「バイオ・レメディエーション」という方法です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆ 微生物がお掃除をしてくれる?
バイオ・レメディエーションとは、土や水(地下水を含む)に溶け込んだ有害な化学物質を、微生物の働きで分解・無害化する技術です。
もともと自然界には、汚れをゆっくり分解する“自然浄化能力”が備わっていますが、そこに炭素源や栄養塩類など(餌に相当)を加えることで、土着微生物を活性化させ、分解スピードを上げることができます。
また、あらかじめ安全性と有効性が実証された有用微生物を汚染地域に添加拡散させることで浄化することもできます。
◆ どんな汚れに効くの?
特に効果が顕著なのは油類ですが、難分解性として知られ工業用脱脂洗浄剤として多用された有機塩素化合物(VOCs)のトリクロロエチレンですら、炭酸ガス(Co2)と水(H2O)にまで分解・無害化できるのです。
◆ 日本では技術開発と現場実証試験! 舞台は君津市
実は、この技術開発と現場実証は、1995年から2001年に本格的な国家プロジェクトとして千葉県君津市久留里市場サイトで、国研・大学・行政・企業などから成るコンソーシアムにより実施されました。
微生物の働きを高める「バイオスティミュレーション」や、働き手となる微生物そのものを加える「バイオオーグメンテーション」の技術を駆使し、汚染された土壌・地下水の完全浄化を実証しました。
◆ 実証試験の成果は?
NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、 RITECO2(公益財団法人 地球環境産業技術研究機構)の2機構を基軸に、国内の微生物学者・病理学者・衛生学者・分析科学者・地質学者・プラント工学者など総勢 80 名から成るBoard を中核に、民間企業5社の中央研究所員の実施部隊、更には君津市と大阪大学大学院から成るTaskForceとしての「土壌汚染等修復技術開発国家プロジェクト」が1995年から2001年の6年間に亘り展開され世界初の成功例を獲得しました。その成果は、前記の2機構の暦年報告書で明らかにされており、微生物の力で「目に見えない汚れ」がちゃんと浄化されたというわけです。
◆ 私たちの未来にも関係ある話
「土を掘って最終処分場へ転嫁する」や「薬品で強制的に処理する」などの従来の方法に比べて、この技術のすごいところは、天然資源を利用することであり、環境にやさしく、コストも抑えられるという点です。環境保全はもちろん、将来の子どもたちへ“きれいな大地と水資源”を残すためにも、今こそ注目すべき技術といえるでしょう。
自然と共に生きる。
その選択肢が、微生物の力によって、今ぐっと現実味を帯びてきています。
環境問題が日常のすぐそばにある今、このような技術がもっと広がっていくことを願わずにはいられません。君津から世界に、そして困っている方々へ最善の方法を提供いたします。
