「見えない大地の汚れ、誰がどう伝えるべき?」 ~Public Risk Communicationについて~
- 鈴木 斎将
- 9月4日
- 読了時間: 3分
普段、私たちが歩いている地面の下には、目に見えない有害物質の“よごれ”が広がっていることがあります。日常的な人々の活動や工場の操業に伴い、時には不適切な「盛り土」や「残土石処分」「廃棄物最終処分場」などによって、地下の土や空気や水が汚れてしまうのです。これを「地質汚染」といいます。
地質汚染は、目には見えません。でも、もしその土地を住宅地や公園として利用したら、私たちの健康や子どもたちの未来に悪影響を与える可能性があります。だからこそ、「どこに、どのくらいの汚れがあるのか無いのか」を正しく調べることがとても大切なのです。
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◆ 君津システムが開発したKPM法(KIMITSU Prospective Method for comtaminated vadose zone )とは?
一般的な調査では、広い土地に対して30mや10m四方の区画(メッシュ)を配し、その一部分でしか調査せず、汚染の見落としや調査精度のバラつきが山積しています。創始者である君津システムは、5mを超えるメッシュを配すること無く、1mやそれ以下まで汚染を追尾する方法を38年前に確立しました。
この手法によって、汚染物質が濃集する「ホットスポット」を的確に見つけることができます。まるで病気の原因をピンポイントで特定する“診断技術”のような役割を果たしているのです。
◆ なぜこの方法が大事なのか?
・効率的な浄化工事が可能に
汚染の存在場所が立体像として正確に分かれば、必要な場所だけに適切な浄化技術を投入すれば良く、その結果、無駄な掘削工事を省き、費用も時間も節約できるのです。
・全世界100件以上で実績
実際にこの方法は日本各地の調査で活用され、土地の安全性を回復させ安心できる暮らしの基盤づくりに貢献してきました。
◆でも「調査」だけでは足りない
環境汚染の問題は、専門家だけで解決できるものではありません。住民、行政、企業、それぞれの立場から意見や不安が出てきます。
そこで大切なのが Public Risk Communication(パブリック・リスク・コミュニケーション) です。
これは「正しい情報をみんなで共有し、同じ言葉で理解し合うこと」。つまり、専門家だけの知識ではなく、誰にでもわかる説明で話し合い、安心できる共通認識をつくることを意味します。
◆私たちの未来に向けて
もし、自分の住む町の土地に問題があるとしたら、どんな説明を聞いたら安心できますか?
君津システムは、調査技術の向上だけでなく、人と人との対話を大切にしています。科学と市民の橋渡しをすることで、「不安」を「安心」に変える。それが私たちの使命です。
自然と科学をつなぎ、安心できる社会を。
君津から世界へ、信頼の技術と誠実な対話を広げていきます!z